楽しみ方
新しい感覚と世界観
レクリエーショナルの範囲内で遊ぶリブリーザーの楽しみ方について触れてみます。
圧倒的に長い減圧不要限界が得ることができる!潜水の移動範囲数倍に。生物捜索や水中撮影に異次元の成果を期待できます。
リブリーザーといえば何と言っても、最も大きな利点、減圧不要限界の延長でしょう。3Lほどの超小型の酸素シリンダーと空気シリンダーを装備し、そのガスをミックスさせます。どの水深でも事前に設定しておいた酸素分圧にキープできるようになり、高い酸素分圧での水中滞在が可能な為、オープンサーキットでの空気やエンリッチドエアー以上に無減圧での潜水可能な時間が飛躍的に伸び、比較的浅い15m前後では飛躍的に長い滞在が可能になります。オープンサーキットの場合、深度が深ければ深いほどこの酸素分圧は上昇しエンリッチドエアーの場合は最大酸素分圧が1.4気圧が制限深度となります。リブリーザーでは、この酸素分圧が基本的には一定に保たれることになります。そのため、深度がレクリエーションの限界水深40mでも、酸素分圧一定にコントロールされ、水深を20m付近の浮上してきても酸素分圧のコントローロによって非常に酸素パーセンテージの高いエンリッチドエアーを呼吸しているのと同じになります。例えば酸素分圧を1.4気圧を想定した場合水深15mではおよそ酸素56%のナイトロックスガスを呼吸していることになります。通常のレクリエーションで使用できる40%未満を大幅に超えるため、減圧不要限界が通常のエアーやエンリッチドエアーに比べ長くなります。明確にどの水深に滞在するかによってリブリーザーのアドバンテージが大きくなります。滞在時間の大幅な延長はダイビングポイントの開拓などのリサーチに最適です。例えば、120分の潜水計画も立てることができます。水中生物の捜索など、今まで長く滞在することができないような水深にじっくりと腰を据えて隅々まで探すことができるので、焦りが減り無理な計画も必要ありません。水中撮影においてもじっくり構図を考えて生物に時間をかけ慣らす時間は今までにない感動を与えてくれます。
水中排出がない排気のもたらす恩恵、唯一無二の水中世界!
いちばん一般的なオープンサーキットとの違いかもしれませんが、水中排気がないことや時間にゆとりがあることで臆病な水中生物にもストレスを最小限にできて接近も可能になることも多くあります。例えば水中動画撮影は巣穴を持つハゼなど引っ込んでしまうとなかなか出てこないことが多い場合は通常呼吸音や動作などにゆっくりと時間をかけ接近してカメラの固定作業を行い、水中動画撮影を実際録画に至るまでに多くの時間が必要で、接近した時に排気音がないことで生物も警戒レベルも低く、リブリーザーは非常に適していると思います。
あとは私個人の感覚ですが、水面にめがけて登っていく排気ガスがないことで、水深の感覚も独特になります。まるで宇宙空間のようなところを漂っているかのような水中の音も静かでそして浮遊している感覚も呼吸そのものとは関係がないので、ビタッと止まっている感覚がなんともお伝えできない水中世界を生み出してくれます。
多くの優れた利点を最大限に
暖かく湿った呼吸ガスで快適ダイビングに!
ダイビングを楽しさは快適さが直結すると思うのですが、我々のフィールドでは水温10度ほどの低水温でのダイビングシーズンがあります。
通常のオープンサーキットで使用するシリンダー内のガスは非常に乾燥していて、レギュレーターから呼吸する時にはさらに冷やされています。それで長時間潜ると喉が渇いて体が冷えてくることの要因となっています。リブリーザーはオープンサーキットと違い、呼吸するガスが暖かく湿っていることです。これは、呼吸して排気されたガスは二酸化炭素をCO2吸着材に吸着することで化学反応によって熱と水分が放出される為、長時間潜水や低水温での体の冷え防止に最適な器材です。体の冷えが少ないため、ダイビング後の疲労感にもかなりの影響を与えます。長時間潜水に大きな後押しをしてくれます。
リブリーザー組み立てや調整が面白い!新たな知識、スキルも勉強できる!
水中の事ばかりに捉われがちですが、リブリーザーは潜水の前にじっくりと時間を取り、セッティングを行います。水中カメラなどのセッティングと同じような感覚かもしれませんが、いろいろなことを想像しながら、準備するのも楽しみの一つです。
また基本的には自分自身にあった器材の調整など細かなことで大幅に快適性がアップするので毎回のダイビングがその試行錯誤であっという間に時間が過ぎていきます。陸上でも過程が楽しむことができ能動的に考えて潜るダイバーにとってはカスタムしていく楽しみもできます。
またリブリーザーでメンテナンス、緊急時の対応方法など多くの追加スキル・知識が必要です。新たに沢山のことを学べて考えることも多く楽しみが増えます。目的に応じた使用も勿論の事ですが、ただリブリーザーで潜ることを楽しむのも純粋に楽しみ方の一つであると思います。